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政権交代で大転換する環境政策、FITに注目する民主党

焦点:政権交代で大転換する環境政策、FITに注目する民主党
2009年 09月 16日 21:46 JST

 [東京 16日 ロイター]

 鳩山由紀夫政権の誕生で、温室効果ガスの削減をめぐる日本の政策が大きく変わりそうだ。前政権と比べ、大幅に高い目標を達成するために太陽光発電など再生可能エネルギーの飛躍的な拡大を目指すことになるが、その核になるのが、欧州で導入され、内需喚起効果も実証されているフィード・イン・タリフ(FIT)だ。

 さらに市場メカニズムを活用しながら効率的に目標達成を図る排出量取引制度の導入もカギを握る。いずれも産業界の一部が強く反対しているものの、国際競争力の強化を促す効果を指摘する声もある。政権交代で環境政策と関連産業のイノベーションが大きく進展する可能性が出てきた。


 <固定価格買取で発電事業者の参入を誘発>

 鳩山新首相は2020年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを1990年比25%削減する高い目標を掲げた。だが、世界で最もエネルギー効率が高い日本にとって25%削減は極めてハードルが高く、従来の発想の延長線上にある対策では実現は難しい。

 そこで民主党が、温室効果ガスの削減で切り札とみているのがFIT。CO2を排出しない再生可能エネルギーで発電した電力を、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)はじめ電力会社が固定価格で買い取る仕組みで、ドイツやスペインなど欧州勢がFITの導入で太陽光や風力発電を飛躍的に拡大させたことが念頭にある。投資資金の回収をねらった発電事業者の参入が再生可能エネルギー拡大の原動力になった。

 同党は、電力供給に占める太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの比率を、こうした新手法の導入によって拡大させる方針だ。

 日本でも経済産業省が中心になってFITを今年11月に導入し、一般の電気料金の2倍程度の価格で買い取りを開始する予定。だが、対象は太陽光発電のみで、その上に家庭で使った電力の「余剰分」に限定し、発電事業者の参入が不可能な設計になっている。

 これに対して、民主党が導入を目指しているFITは、買い取り対象を太陽光発電に限定せず、風力、小水力、バイオマスなどにも広げる制度だ。発電した電力は余った分だけではなく全量を買い取ることで、家庭の屋根での太陽光発電にとどまらず、事業者による発電を含めた再生可能エネルギーの広がりを見込む。

 ポルトガルで太陽光発電所を展開している三菱商事(8058.T: 株価, ニュース, レポート)は「世界各国で次の投資対象を探している」(小島信明執行役員・新エネルギー事業開発本部長)としてビジネスチャンスを探っているが、日本での展開には様子見姿勢を崩さない。

 電気事業連合会の森詳介会長(関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)社長)は11日の会見で、民主党が検討するFIT制度は「太陽光を設置して利益を追求する方のために、一般の電気利用者が負担するのは理解されない」として反対の姿勢を示した。発電事業者にとってFITを頼りに投資するには、安定的な買い取り制度が不可欠で、事業者に不安の少ない日本版FITを設計できるかどうかがカギになりそうだ。


 <排出量取引は鉄鋼への優遇措置も>

 さらに民主党は、排出削減の目標達成の手段として、キャップ・アンド・トレード方式の国内排出量取引を導入させる方針だ。企業に排出上限(キャップ)を課して事実上の削減義務とし、過不足分を取引(トレード)するシステムで、市場メカニズムを活用することで効率的に排出削減を進めることが導入の狙い。05年に排出量取引を導入した欧州を筆頭に、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、米国など主要先進国が導入や検討を次々に進めている。

 特に、欧州のEU―ETS市場は08年に920億ドル(約9兆円)を超えて、世界の排出量取引の価格形成の参考指標の地位を築きつつあるため、日本としても導入を急ぐべきとの声が高まっている。

 排出量取引の制度設計は、どの企業にどれだけの排出枠を割り当てるかが最大の焦点で、調整が難航する可能性が高い。欧州は排出枠の配分で、2013年から原則としてオークション方式で有償による割り当てに移行するが、業種によっては無償で交付される。

 米国は、オバマ大統領が今年2月の予算教書で、排出枠の100%をオークションにして有償割り当てにすると表明したが、議会や産業界の抵抗で、産業によって無償割り当てを行う方向で検討に入っている。日本では、中国や韓国との国際競争にさらされる鉄鋼については「他の先進国なみに排出枠の割り当てで優遇される方向にある」(政府関係者)とし、排出枠を無償で配分するなど、一定の配慮が検討されそうだ。


 <途上国の排出削減プロジェクトに商機も> 

 民主党政権の中期目標は「荒唐無稽」(神戸製鋼所(5406.T: 株価, ニュース, レポート)の水越浩士相談役)として産業界の一部では依然として抵抗が強いが、海外からの排出枠(クレジット)を活用することで負担を軽減する道筋も残されている。民主党の福山哲郎参院議員は「途上国を含めた各国が温暖化対策を採るなら、世界中のどこで排出量を削減しても価値になる」として、25%削減の内訳に海外の排出枠を入れることに含みを持たせている。

 12月にコペンハーゲンで開かれる第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は、CO2排出削減の枠組みに中国・インドなど途上国をどのように巻き込んでいくかが焦点だが、それに加えて、海外の排出削減プロジェクトに参加することで得られる海外クレジットのルール作りも注目されている。福山議員は25%削減に海外クレジットを入れるのかどうかは「今後の国際交渉を注視して内訳を決めていきたい」と指摘している。

 各国の排出削減に海外クレジットを活用するのは、すでに京都議定書のメカニズムに組み入れられている。ポスト京都の枠組みでも、同様の仕組みが整備されれば、製鉄所や発電所の省エネ技術で世界をリードする日本の技術が、途上国での排出削減プロジェクトに使われる場面が増えそうだ。

 富士通総研の生田孝史・主任研究員は「海外の排出枠がうまく使えれば、産業界全体の不利益になるわけではない」として、負担だけが増大するとみられている鉄鋼など国内の重厚長大産業にもビジネスチャンスが出てくると指摘する。


 <環境規制がイノベーションを誘発>

 一般的に規制強化は企業の収益へのマイナスイメージが強調されているが、環境規制が企業のイノベーションを引き出すという考え方は、米ハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授が提唱した「ポーター仮説」として知られている。

 具体的には、1970年制定の、当時達成は不可能とされた排気ガス規制の米国マスキー法に対応するため、ホンダがCVCC(複合過流調速燃焼)エンジンを開発。これを搭載した「シビックCVCC」が大ヒットして、その後の飛躍のきっかけをつかんだ事例が有名だ。

 ホンダの企業DNAは「究極のクリーンカー」といわれる燃料電池車の開発にも受け継がれている。燃料電池車は水素と酸素と化学反応させて電気を発生させて、モーターで走行する。水素自体は単独では存在しないが、様々な物質に含まれ、太陽光など再生可能エネルギーを使って水を電気分解して取り出すことも可能だ。

 同社の燃料電池開発責任者、藤本幸人・上席研究員は開発の意義について「化石燃料にこのまま頼っても(クルマに)将来性はない。循環可能なところに入っていくために、再生可能エネルギーを活用して水素を作り水素で走るクルマをつくりたい」と語る。

 規制強化で拡大する市場ではLED(発光ダイオード)照明もある。日本を含む世界各国で2012年をめどに白熱電球の製造・販売を中止する政策が加速し、LED電球への置き換え需要の拡大で、パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)、NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)の電球業者5社の参入が10月には出揃う。これまで電球を手がけていかなったシャープも参入したことで事業者間競争は激しくなっており、40ワットの白熱電球に相当するLED電球の価格が今年3月の1万円程度から、足元では4000円程度まで値下がりし、本格普及に弾みがついている。

  (ロイター日本語ニュース 村井令二 浜田健太郎 取材協力:清水律子;編集 田巻 一彦)

http://jp.reuters.com/article/economicPolicies/idJPJAPAN-11531520090916
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[ 2009/09/17 08:04 ] 国内経済 | TB(0) | CM(0)

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